2011年12月25日日曜日

アースオーブンづくり レポート!

いよいよ、片浦“食とエネルギーの地産地消”プロジェクトがキックオフ!
片浦中学校の校庭にアースオーブンを作りました。
アースオーブンとは、土でできた窯のこと。その歴史は古く、アメリカ大陸、中東や北アフリカなど世界中のあちこちで使われていたようです。土と砂があればどこでも作れ、壊れたりひびがはいっても補修も簡単。そのうえ役割を終えたら、もとの場所に土や石として還すことができるエコな窯です。

■1日目:土台作り(11月12日)

最初にアースオーブンをのせる土台を作りました。3.11の震災時に倒壊し廃てられるところだった小田原市内の石塀の大谷石をいただいてきました。大谷石は軽量で柔らかいので加工が容易で耐火性に優れた石です。120cm四方×高さ70cmに積んでモルタルで埋めます。

大谷石らしく端正な佇まいの土台ができました。

■2日目:アースオーブン本体作り(11月19日)
いよいよアースオーブンの本体づくりにはいります。土台の上に内径60cmの円を記します。

走り幅跳びで使っていた校庭の砂場の砂で、アースオーブンの内側にあたる砂山を作ります。直径60cm×高さ35cm。(のちほど本体が乾いたら、この砂はかきだします)大人達も昔懐かしく砂遊び。ついトンネルをあけたくなるね。

砂山ができたら、濡れた新聞紙でくるみます。これは崩れ防止と、掻き出すときに窯内に砂がはりつかないようにです。

窯本体となる土づくり。土は粘土質が最適です。今回は、中学校の正門の前の畑の土を使いました。まさに、土も砂も地産地消。広げたシートの上で土と砂を混ぜ、水を加えてよく練ります。

大人も子供もチビッコもダンス!ダンス!歌いながら足ふみするのがいいみたい。

20分から30分くらい踏んで、、、

こんな感じになってきたらok。砂山のまわりに練りつけます。
でもそろそろお昼ごはんかな。

お昼ご飯はご近所のきのこレストラン“お山のたいしょう”さんから、キックオフのめでたい日だということで、ちらし寿司が届きました!心憎い気配りに感謝です。あっという間に完食。

さぁ、お腹もみたされたので、もう一仕事。土を、砂山のまわりに10cm程度の厚さで練りつけます。

一層目ができあがり!!dつるつるでぴっかぴっか。きれいだな~。新聞紙でまわりの水分をすいとります。
全員でパチリ。今日は豪雨の中お疲れ様でした!次回は来週、本体2層目を作ります。

■3日目:アースオーブン本体づくり(11月26日)

おーっ、1週間たったら、こんなに激しいヒビが!土の水分や日のあたり方による乾燥の違いでこんなことにもなるようです。でも大丈夫、土でできてるから補修も簡単。とパーマカルチャー・デザイナーの杉山チコ先生。

練った土を、空洞ができないようにしっかりヒビの中につめていきます。

今日は、前回作った窯本体の上にさらにもう1層の土を練りつけます。2層目はより強度を高めるために、つなぎ役になるワラを土と砂に混ぜ、水を加えて練ります。

ワラをまぜて練った土を2層目に塗り重ねます。1層目の筋はヒビではありません。2層目がくっつきやすいようにあえて筋をいれました。

窯の入口となる開口部をあけます。開口の横幅は内径の1/2~2/3。高さは窯の内側の高さの63%だそう。開口部の高さだけは厳密に決まってるんですね。中で火を焚いておき火にするので空気の出入りとか色々あるらしい。

本体完成!!!


 参加者のお一人で、自然農に取り組む斉藤さんが持ってきてくださった小麦の種を校庭に蒔きました。来春に小麦が収穫できたら、粉に挽いてピザを焼いて食べようね。

今日のお茶タイムは村田さんの手作りケーキやアップルパイ。労働のあとのおやつは格別です。

うーん、美味い!みな笑顔、、、

笑顔、、、

笑顔、、、。

今日はたくさん遊んだね。


みんなではいチーズ!お疲れ様でした。これで本体完成です。この次は1月21日(土)。片浦小学校の6年生がデザイン、装飾を施したあとの、補足、補修を行い、砂を掻き出して火を焚きます。ピザの試し焼きもできるかもね。どうぞお楽しみに♪

2011年12月13日火曜日

12月4日「森と風のがっこう」吉成信夫さん講演会報告

岩手県葛巻町のエコスクール「森と風のがっこう」から吉成信夫さんをお迎えし、講演会+ワールドカフェを行いました。「森と風のがっこう」は、廃校になった学校を活用した食とエネルギーの自給自足の場です。http://www5d.biglobe.ne.jp/~morikaze/

吉成さんは、豊かな発想と強い実行力の異色の改革者として知られていますが、いつもは「森と風のがっこう」で、子どもたちと森で遊び、絵本を読み、地域の人たちと心を通わせながら、自らが楽しんで活動している素敵な“おんちゃん”です。






市役所の会議室も、テーブルクロスを敷いて、お花をいけて、コーヒーをいれて、手作りお菓子を用意して、今日はカフェに様変わり。おもてなしの準備も整いました。

***今日のカフェ・メニュー***
小田原の手作り天然酵母パンのポタジェララさんのパン、片浦おやまの大将さんのしいたけクッキー、片浦みかん、秦野のジンジャー&ピクルスさんの手作りマクロビクッキー、秦野の村田さんのロールケーキやスポンジケーキ、大磯オイコスさんのコーヒーなど、盛りだくさん。

小田原市内だけでなく、山梨や藤沢、東京など多方面から、食、エネルギー、教育、地域おこしに関心をもつ方々が100人ほどお越しになりました。初対面だけど、テーブルを囲んで和気あいあい。

加藤小田原市長もいらっしゃいました。偶然にも吉成さんとは旧知の仲。10年ほど前に「森と風のがっこう」に行かれ、森風カフェでお茶を飲み、コンポストトイレを体験されたそうです。

***第一部:吉成信夫さんのお話***
“楽しみながら生活をレベルダウンさせる。それにはユーモアと創造力”
“やらない人は損をする。やった人だけが得をする。やってみればわかるエコロジカルな暮らし”
実践に基づくお話は具体的で説得力があり、新しい視点を与えてくださいます。
*アンケートでの感想

・吉成さんのエネルギーに感心、ワクワクした。小田原でも実現したい。
・バイタリティある活動、自分の気持ちに素直に行動している姿に感動した。
自分の生活への「視点」を変える機会となり、生きていく上で希望とヒントをいただいた。
・吉成さんのパッションに心を打たれました。何事も熱い想いでひとつでかなうんですね。


***第二部:参加者全員でワールド・カフェ***
手作りのおいしいお菓子とコーヒー片手に対話の時間です。80才から10才、行政職員や議員からビジネスマンや中学生まで、様々な人たちがシャッフルして、“自分の住む地域が5年後どうなっているのが理想か?”“それを実現するには何をどう変えたらいいか”をテーマに意見を交わしました。
*アンケートでの感想
・明るく楽しい雰囲気の中で色々な意見が聞け、柔軟な発想がでてきた。
・色々な世代、立場の方々のおもいを聞くのは面白い。
・周りの人が変わると自分の考えも変わるんだなということに気が付いた。
・この形式、とても面白いですね。人の意見も自分の意見も自然と一つになっていくことが不思議でした。
吉成さんのお話に元気をもらい、ワールド・カフェで新しい発見をし、一日楽しい時間となりました。参加くださった皆さん、ありがとうございました!これからも、小田原市旧片浦中学校を拠点に、食と自然の地産地消をテーマにした様々な取組みを行うので、どうぞ遊びに来てください。