2012年11月5日月曜日

【報告】11月3日かまど始めとお醤油しぼり

先月完成したかまどを2週間乾かして、いよいよかまど始めです。その目出度い日にあたり、シンクタンク藤原事務所の大谷さんがお醤油しぼりをやるとの話を聞き、相乗りさせてもらうことになりました。炊き立てご飯とできたてお醤油、うーん、楽しみだー!

 おはようございます。今日絞るのは、一斗樽を2樽。1樽2~3時間かかるとのことで、早起きで準備を始めました。これは木製のお醤油しぼり樽。暮らしの必然性からなる道具って、シンプルでかつしっかり機能を果たす、そのうえ、なんとも美しい佇まいです。

 お醤油は何からつくるのでしょう? ハイ、大豆と小麦と塩を混ぜたものに麹菌を入れ、半年以上寝かせて醗酵させて作ります。その発酵したものがこれ、諸味(もろみ)です。名前は知ってたけど見るのは始めて。大谷さん達が春に仕込んで育ててきたもの、醗酵の間の世話のしかたで、味に違いがでるそうです。作った人がそのままでるらしい。世話される酵母も生き物だからね、生き物同志の相性がそのままでるんだね、興味深い、、、。

まずは、お湯を薪で沸かします。諸味を緩めるためです。今朝おひさまが昇る頃、久野の水源地で沢水を汲んできました。

 お湯が湧いたら諸味とまぜ、よーくよーくかき混ぜます。いつもおいしいランチを作ってくれる、キッチンチームの恵子さん、NPO法人子どもと生活文化協会の事務局です。

醤油師の岩崎洋三さん。長野からいらっしゃいました。以前は小田原市の鴨宮にお住まいだったそうです。今から23年前に醤油師の故萩原忠重さんと出会い(当時80歳)、その技と知恵を受け継ぐため即刻移住、10年間萩原さんの下で経験を重ね、現在23年目。廃れ行く暮らしの技を伝承すべく、全国を飛び回ってらっしゃいます。手にしているのはしぼり袋。 

 
 
             
これがしぼり樽の中。さあ、どうやってしぼるのかな?

諸味をお湯でといてよく混ぜたものを、袋の中にいれます。

中に袋を並べます。


諸味を袋にいれます。
そして重ねます。あとは、その繰り返し。簡単なようでいて、これができるまで3年間はかかると聞きました。

おーっ、でてきた、でてきた、いい香り!雑巾を絞るようにねじって絞るんだと思ってたけど、そうではなくて、袋の重みの自然の圧力で出てくるんですね。

 仕舞に近づくと、ジャッキをつけて圧力をかけます。

小学生たちが集まってきたぞ。お兄ちゃん、私も中が見たいよ~。

 ご婦人たちもいらっしゃいました。かまどでのご飯の炊き方を教えてもらいます。お嫁に来て60年、ひ孫が10人という素晴らしいキャリア。でも背筋がピンとのびてとってもお元気。“昔はこの辺にも醤油しぼりの人が来たもんだよぅ”

1樽目終了です。最初の方にしぼったのと、後の方でしぼったのと味が違うんだよね。圧力の加減かな。どれが好き?俺は黄色のやつ、私はバケツの、、、と好みもそれぞれ。
しぼり終わった後の搾りかす。醤油の実と呼ばれているそうで、漬物にしたり、お肉やお魚を漬けて調理をしても美味しいそうです。昔は馬や牛の餌にした、堆肥にしたりで、捨てることなくすべて活用されたとか、、、。

 お昼まえになって、サッカーとミニバスを終えた小学生たちが集まってきました。まずは醤油クイズだよ。お醤油は何からできてる?醤油の仲間ってなんだろう?お醤油ってどれくらいの種類の味があるの?、、、、、

 そして、今日は大事な日。みんなで作ったかまどと炊事場の使い始めです。まずは流し台に向かって、水の神様にご挨拶。祝詞をあげ、柏手をたたきます。

次はかまどにむけて火の神様にご挨拶。片浦の安全と繁栄を祈ります。

 かまどに火をいれました!感動。

お昼の支度。

こんなに上手に炊けました~。炊き立ての羽釜ごはんに生卵とできたてお醤油をかけて、ハイ、めしあがれ。恵子さんのお手製味噌で作ったきのこ汁と、うたこさんが漬けた千成瓜のお漬物。これほど贅沢な食卓はありません。

 おなかもいっぱいになったら、2樽目の醤油しぼりです。岩崎さんのお話“昔はなんでも自分たちの手で作ったものだよ。作ることを忘れないようにしようね” とってもいいお話なんだけど、子供たちは諸味が気になってしょうがない。だって、とってもいい匂いなんだもの。

 味見をしてみよう、の声に、とびつくとびつく。皆それぞれに指をつっこんでペロペロ。味噌みたーい。

しょっぱい、うめぇ、、、

 味見のあとは、みな、目がキラキラ。これからどうやってお醤油ができるんだろう?

 諸味をお湯でといたもの、私もまわしてみたい。わぁ、けっこう重いんだー。

またもや、味見でチュッパチュッパ。

 袋に諸味をいれてしぼりまーす。

でてきた、でてきたー!

うんめぇ、刺身食いてー、っておやじばりの声が聞こえてきます。

できた醤油を、お煎餅につけて焼きましょう。タウンニュースの菅原さん、取材の合間にお煎餅
焼き。ポッケにお餅をしのばせて持ってきたちゃっかりちゃんも。お餅と醤油、美味しいもんね。

 おせんべ、焼けたかな?焼けたよー。

 生醤油の他に、火入れ醤油を作ります。できたお醤油を大釜にいれて火を通します。

でてきた”あく”をとります。この“あく”の中に大根などを漬けて食べるそうです。あく漬けっていう名前まであるんだって。搾りかすも、あくまでも無駄にしないという、素晴らしい循環の世界です。

2樽目もしぼり終わり、きれいにお片付けしてみんなでパチリ。今日もたくさん遊んだね。
岩崎さんいわく、醤油1c㎡に1億個の菌がいるそうです。しかも温度や湿度や醗酵の過程で菌が入れ替わり立ち代わり、まさに無限大のいのちが織りなす壮大で豊かな世界。1滴なりとも無駄にはできないなーと感じ入りました。

畑には秋桜。秋も深まってきましたね。次回のワークショップは、12月8日の小屋改修。廃材を使い、小屋を素敵なスペースに変身させます。どうぞご参加ください!!














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